スキャンダル×スキャンダル
「じゃあさ、紗羅、恭くんと結婚するの?」

『わかんない。もともと母さんに無理矢理連れていかれた見合いだから』

「そっかー」






少し間を開けたと思ったら美雨はとんでもないことを口走った。


「あたし、恭くんに会いたいなぁ〜」



『はぁ?…ヤダよ。』

ただでさえ昨日会っただけで嫌になったのになんでわざわざ会わなきゃいけないのよ。

絶対に嫌。



馬鹿美雨はあたしが嫉妬していると勘違いして

「あ、紗羅?勘違いしないでね!あたしの好きな人は純くんであって恭くんじゃないからね?!」


『純…?』

「うん!恭くんと仲良しの北条純くん!」

ニコニコと笑う美雨は恋する女の子そのものだった。

『…あ』

「ん?どうしたの?」
不思議そうに聞いてくる美雨にあたしは言った。


『あぁ。純ってあたしのいとこだよ』



「え?!ま、ま、ま、マジで?!」

美雨の声がさっきより大きいせいでみんなの視線があたしと美雨に集まった。


『あー。みんなごめん!うるさかっよね?美雨の馬鹿が!』

「ちょ、紗羅ぁ…馬鹿ってなによぅ」

泣きそうになる美雨とは反対にクラスメート達からは笑顔が溢れた。


『ほらっ美雨。みんなに謝りな』

「…ごめんなさいぃ」



みんなはそんな美雨を気遣ってか、「いいよ、気にしないで」と励ましてくれた。

みんな なんて好い人なんだろう。




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