♪わがまま姫が恋を♪~中学生に一目惚れ~
しょぼくれたあたしは田辺んちの階段を降りていると、
「また、お前かよ?」
階段を上がって来るアキラと目が合う。
それだけなのに、あたしの心臓はハイスピードで鼓動をして、かなり息苦しくなる。
「お前って言うのやめてくんない?」
「へ~。じゃあ、なんて呼ぶんだ?」
「あたしはアリサって名前があるの!」
「じゃあな、アリサ!」
せっかく会えたのに、偉そうに言ってしまった事を後悔。
じゃあな…。
アリサ。
って、今…あたしの名前呼んだ?
振り返るあたしを無視して階段を上がって行った。