MY LIFE
「騎士怒るなって(笑)」
俺の前では笑顔で宿題について謝っている一輝がいた。
別に俺は怒ってない。
他の男子は一輝にいろいろ文句を言っていたが俺が無言で席に座っていたので怒っていると勘違いをしているのであろう。
俺は元々無口であまり人と話さない。
宿題についてもやるしかないかと諦めて、怒っているわけではない。
一輝は何も答えない俺に本気で怒っているのと勘違いをしたのか…
俺の前に手を合わせて必死に謝ってきた。
「怒ってないよ…代わりに宿題やれな。」
ちょっとした意地悪を言ってやった。
一輝は俺が喋ったことで笑顔を取り戻したが、一瞬固まって…
「げ?!怒ってんじゃん・・・!?悪かったって!!」
焦った顔で俺を覗き込んだ。
顔が近いー…後、数センチでキスができる距離だ。
クラスが一揆に盛り上がる。
男子は調子に乗ってキスコールをする。
女子からはキャー!!をか、うわっ!!て声が聞こえた。
あほか。。。誰が男とキスするかって。
俺は一輝の顔を手で押しやり廊下側に顔を背けた。
一輝は冗談で「俺の愛がイヤなのか!?」と泣いたフリをする。
他の男子は一輝を慰めていた。
廊下のドアを見たとき…数人の女の子が立っていた。
シューズの色が違う・・・あれは後輩か。。。
女の子たちはそわそわしてお互いにドアに押し合っていた。
「一輝…あれ」
俺は一輝の方を向き手でドアを指した。
一輝は何??って顔をしたが、すぐに少し嫌な顔をしてドアに向かっていった。
一輝が廊下に向かうとさっきの女の子たちが騒いでいた。
「相変わらずモテるなぁ・・・」
近くにいた男子が呟くように言った。
一輝はモテる…当たり前だろう。
頭も顔も良く、スポーツも万能。
性格も明るくて面白いヤツだ…ほっておくヤツはまずいないだろう。
いわゆるマンガの主人公だ。
普通…一輝みたいな男の友達はカッコイイ友達か変わった友達のはずなのに…
俺は極普通の男。