おろし
---わたしは御飯を食べている。

もぐもぐと・・・

ふと思う。
あれ?わたし、ライブに行ってたんじゃ・・・
テレビからはラルクの曲、『花葬』が流れていた・・・
こんな番組見ていたかしら・・・
おかしなことを思う自分に、疑問を抱くのは止め、
御飯を口に入れる。

もぐもぐ・・・
もぐもぐ・・・
もぐもぐ・・・
もぐもぐ・・・

シャリ・・・

もぐもぐ・・・
シャリシャリ・・・
もぐ・・もぐ・・・
シャリシャリ・・・
もぐもぐ・・・
バリバリ・・・
もぐもぐ・・・
シャリバリ・・・

もぐも?!
なんだ?シャリ!!

!?

なんと天井に濡れた髪を垂らしながら、蛍光灯を口に入れ、
バリバリと噛み砕く、シミーズの女がいた。

バリバリ・・・シャリシャリ・・・

口の中に、ガラスの破片がいっぱいになりながらも、まだ口を動かす。
血が見える。
彼女の顔は苦痛の笑みを浮かべながら、ごくりとガラスの破片を飲みこむ。

ゴクリと・・・

わたしは目をそらすことができない。
金縛りか?
恐怖か?
ガラスが飲みこまれるたびに、私は寒気に襲われる・・・

彼女の喉元が、異様な形に膨れていく・・・

彼女の目は、白眼になりながらぐるぐる回っている。
ぐるぐると・・・

ひひひひひひひ・・・・
とすすり笑った瞬間-------

彼女の首、喉、つまり食道から、ガラスの破片が、外へ飛び出した。


 一瞬の間があった。


彼女の首からまるでスプリンクラーのようにどす黒い鮮血が飛び散る。
彼女は笑う・・・
わたしはそれを見ている。
彼女は白目で笑う。
わたしはそれを見る。
うごけない。
わたしの顔はひきつっている。
彼女の首が三百六十度回転する。
ゆっくり・・・ゆっくりと・・・
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