おろし
傷口から血は飛び続けている・・・
テレビに・・・
テーブルに・・・
白い御飯が真っ赤に染まってゆく・・・
床にも・・・

そう、まるで回転シャワーのように・・・

天井にブラ下がった女は、先程より、速いスピードで首が回っている。
今にも千切れそうだ・・。

彼女のシミーズも、わたしの長い髪も、服も、顔も・・血をあびている。
暖かい・・それは、とても暖かい・・・。

それは、水でもない、お湯でもない、暖かいネットリとした血のシャワー・・・
血液のシャワーである・・・

その激流のように打ち落ちるシャワー、血液が、身体に触れて固まってゆく。
その理由は、血液の成分、赤血球が外気にふれ固まってゆく・・・のだ。

そうして出来るゼラチン状の物体・・・
たちこもる臭気・・・


だが、そんな現状の中に居るわたし・・・
しかし、わたしは、放心することもなく、彼女を見ているのだ・・・

首から上が、紫色を通り越した色になり、首が、何回転もねじれている・・・
しかし、それでも、彼女の首は回転する・・・のだ。
そして首は今にもちぎれそうだ・・・
血はまだ、勢いよく、ほとばしっている・・・

ブチっ!!

鈍い音がした。
それと同時に、黒い長い髪が、勢いよく回転し落下する・・・

ゴトリ・・・

彼女の首はテーブルの上に落ちた・・・
しかし、まだ回転している・・・
それは、まるでコマのようだ・・・コマのようにクルクルと回転している・・・

そしてテーブルにはまるで毛筆でかいたような線がつく・・・
髪に含んだ血液が・・・

だんだんと、落下した首の回転スピードが遅くなってきた・・・
首(彼女)の表情が見てとれる・・・

彼女の口は、まだ動いている・・・。
シャリシャリと・・蛍光灯を噛み砕いて・・いる・・・

眼と眼があ・う・・・
その彼女、女首の眼は白眼だ・・・
とてつもなく、乳白色に濁っている・・おそろし・・・
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