君のそばで・・・

「あたしも行くよ。」

あずさが立つ。

「駄目だ。残ってろ・・・。」

夏希が冷たく言い放つ。

「でも・・「いいから残ってろよ！！！」

あずさの言葉を掻き消して、夏希が叫ぶ。

「もう、誰も犠牲になってほしくねぇんだよ。だから・・・、頼む・・・。」

夏希がいきなり弱気な口調でいうから、あずさは動けなかった。

「あたしらは、手当てするよ。『闇刈』だけなら、大丈夫だろ『風切』？」

当たりを見回すとたくさんの男たちが倒れていることに気付いた。ざっと、６０人くらいだろうか。

あずさは、それに驚いた。

「え？これ・・「あたしは２０人くらいしか倒せなかったよ・・・。あとは全部『風切』がやった。」

え？夏希が！？

「今、あいつキレてるよ。あいつが笑っているのは、マジで楽しいからなんだ。今は真剣だね。」

そうだよね・・・。

「次はおまえか・・・。『風切』・・・。俺も少しは本気を出さなきゃな。」

ポキッと指を鳴らす颯平。

「あたしも、本気出すよ。」

一気に殴りかかる颯平。それをかわし、颯平の腹にパンチをくらわす夏希。颯平は床に倒れ、立ち夏希の腹に蹴りを入れる。夏希は壁に押し付けられ倒れるが、立って思いっきり颯平に殴りかかろうとしたとき、倒れていた男が一人立ち上がり、夏希の頭に向かってバットを振り下ろした。夏希は倒れたが、まだ立とうとする。

「もう、止めて！！」

あずさが叫んだ。

「おまえ、タイマン邪魔してんじゃねぇぞ。」

颯平がバットで夏希を殴った男の腹を殴った。

ぐはっっと言いながら倒れる男。

「あと、お前もだ。はぁ、萎えた。愛理また今度でいい？」

あずさに向かって言い放った。

「え～、まぁいいや。梨華はやっつけれたし～。今度にしよｗ。」

愛理が、甘い口調で言う。

「梨華は病院行きだから～、結構やばいとこ殴ったし、バットだし～。」

そう言って倉庫をあとにした２人の姿をあずさは忘れられなかった。