君のそばで・・・
「大丈夫!?夏希。」

あずさが駆け寄り夏希の額から出た血をハンカチで拭きとった。

「・・・っ。思いっきりやりやがって・・。」

夏希は立とうとするが、なかなか立ち上がれない。

「ほらよ・・・。。」

那智が肩を貸す。

「サンキュー。後ろに気付かないなんて、まだまだだな。」

夏希は力なくほほ笑んだ。

「そんな事ねぇよ。」

那智は真剣な顔で言った。

「梨華は?」

夏希が思い出したかのように言う。

「あぁ、それなら・・・。たく、うらやましいぜ。」

那智が見る方向を見ると、幸せそうに翼にお姫様だっこされている梨華がいた。

どうやら、気絶しているようだ。

その幸せそうな顔を見て誰もこれから起きることを予想しなかった。
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