同窓会


山口君が消えた…。


あの遺体は山口君だったんだろうか?


確かに…私の騒ぎでも姿を見かけていない。


でも…一体誰がそんな事を?


もう…何がなんだか…。

……落ち着かなきゃ。


私はそう自分に言い聞かせた。


まだ亡くなったと決まった訳じゃない。



私は部屋を出て、一階に降りる。


階段を降りるとちょうど美加と出会した。


「美加!」


「っ…美咲」


「菜穂子から聞いたよ」


「うん…、ごめんね」


「え?」


「美咲が見た遺体は…山口君じゃないかって…。信じなくてごめんなさい」


「うんん、気にしてないよ。…それにほら、まだ居なくなっただけだし」


「そうだけど…」


「私も探すからさ、頑張ろうよ」


「うん、ありがとう」


私達は美加の見たキッチンを除き、待合室、
洗面所、倉庫…あらゆる所を捜した。



「居ない…」


隅から隅まで調べたが、痕跡すら見つからない。


私達が途方に暮れていると、玄関の扉が開き、外から雨合羽を被ったずぶ濡れの菜穂子達が入ってきた。



< 15 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop