同窓会
山口君が消えた…。
あの遺体は山口君だったんだろうか?
確かに…私の騒ぎでも姿を見かけていない。
でも…一体誰がそんな事を?
もう…何がなんだか…。
……落ち着かなきゃ。
私はそう自分に言い聞かせた。
まだ亡くなったと決まった訳じゃない。
私は部屋を出て、一階に降りる。
階段を降りるとちょうど美加と出会した。
「美加!」
「っ…美咲」
「菜穂子から聞いたよ」
「うん…、ごめんね」
「え?」
「美咲が見た遺体は…山口君じゃないかって…。信じなくてごめんなさい」
「うんん、気にしてないよ。…それにほら、まだ居なくなっただけだし」
「そうだけど…」
「私も探すからさ、頑張ろうよ」
「うん、ありがとう」
私達は美加の見たキッチンを除き、待合室、
洗面所、倉庫…あらゆる所を捜した。
「居ない…」
隅から隅まで調べたが、痕跡すら見つからない。
私達が途方に暮れていると、玄関の扉が開き、外から雨合羽を被ったずぶ濡れの菜穂子達が入ってきた。