同窓会
第三章 疑惑
「俺は外の様子を見てこようと思う」
桐島君だ。
「…え?」
「ほら、電話線…外れてる可能性もあるし…。
何もしないより試す価値はあるだろ?」
そう言って笑った。
――不思議だ。
桐島君の笑顔を見ていると心が落ち着いていく。
不安な気持ちもすべて吸い取ってくれそうな―…そんな笑顔。
「わ、私も行く!」
気が付くとそう口走っていた。
「…いいの?」
「うん、私もこのままじっとしてるなんて嫌だから―…」
「ありがとう」
私達は玄関にかけてあった雨合羽を羽織り、
懐中電灯を手に持った。
まだ昼過ぎだったが、
この荒れた天気のため
辺りは薄暗く、雨風の音が一層激しさを増していた。
「美咲、気をつけてね」
菜穂子が心配そうに私を見つめる。
「うん、桐島君が居るから―…」
「じゃあ見てくるよ」
桐島君は玄関の扉を開け、私も外に出た。