同窓会
玄関を開けると、
階段に座っていた菜穂子が立ち上がり、駆け寄った。
「…どうだったの?」
「皆に…話があるんだ」
桐島君の声は落ち着いていた。
「…分かった。皆を集める」
そう言って二階に登っていった。
「…桐島君」
「心配いらないよ…。
…犯人が俺達の中に居るなら…話を切り出しても動揺しないはずだ。皆の表情を良く見ていて…」
「でも…菜穂子は…」
「ごめん…信じてやりたいさ…でも自信が無い」
力無く微笑んだ。
「…分かった」
皆を信じたい。
信じたいよ―…。
殺人なんて出来る人間じゃない。
そんな人間じゃ―……。