同窓会
私達は静かにドアを開けた。
桐島君が先に中に入る。
私は廊下から部屋の中を覗いた。
床のカーペットには血痕が生々しく残っていて、私は思わず目を逸らした。
しばらくして桐島君が部屋から出てきた。
「痕跡すら無いな…」
「そう…」
正直ホッとした。
木村君が言う様に、犯人の痕跡が室内から発見されたら安心して夜も眠れない。
「大丈夫だよ」
そう言いながら、私の手を自然と握った。
「っ…」
ドキッとしたが不思議と心が落ち着いていくのを感じ、私達は時が止まったかの様にしばらく見つめ合っていた。
「美咲」
美加の声で我に返る。
急に恥じらいを感じ、お互いに手を離した。
「み…美加」
「…?」
美加はキョトンとした顔で私達の顔を交互に見た。