同窓会
私達は階段を上り2階に向かった。
「部屋は自由みたい、私の隣の部屋空いてるよ」
「じゃあ隣にしよっと」
子供みたいにワクワクしていた。
「後でね」
菜穂子と別れ、部屋に入る。
部屋はカントリー調で統一されていて落ち着いた雰囲気だった。
私は荷物を床に置き、
鞄からタオルと着替えを取り出した。
着替えを済ませ、部屋を出ると、階段を上ってくる足音が聞こえた。
しばらくして茶色のジャケットを着た、背の高い男性が上がってきた。
栗色の髪をした整った顔立ちの男性は私と目が合うと軽く微笑み、
近づいてきた。
「原田…さん?」
相手の顔をじっと見つめ、昔の記憶を呼び起こす。
「…桐島…君?」
「あぁ、久しぶり」
そう言って微笑んだ。
「変わらないね、すぐに分かったよ」
「桐島君も変わらないよ」
桐島祐二。
頭が良く、スポーツ万能で誰にでも優しくてクラスの人気者だった。
私の初恋の相手でもある。
笑うと優しい目をする所も、落ち着いた口調も変わっていない。