同窓会


私は外に目をやる。


日が沈んでいるため、
余計に暗くて外の様子が見えないが、

窓ガラスに降り注ぐ雨と音からしてかなりの豪雨なんだと分かる。




「…木村君達、大丈夫なのかな」


「…信じて待つしかないね」



山道を歩くだけでもかなりの時間がかかるのに、この雨の中だ。


二人の安否が心配で仕方なかった。




「雷…?」


先ほどから遠くの空が光ったりしている。


「やだぁ…落ちたりしないわよね」


二人が居ないだけで、こんなにも不安が押し寄せる。


「念のため懐中電灯持って来るね」


「あ、うん」


美加は小走りにキッチンから出て行った。




「さすが美加ね…」


美加の冷静さに感心していると、大きな音と共に外が光り、部屋は一気に暗闇に包まれた。




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