同窓会
「そうかな?年はとったけどね」
ハハッと笑う。
「でも―…原田さんが来てくれて嬉しいよ」
「…えっ」
一瞬胸がドキッとした。
「桐島君、久しぶり」
気がつくと菜穂子が後ろに立っていた。
「…三条?久しぶりだな。ずっと海外に居たんじゃ…?」
「えぇ、日本に用事もあって一時帰国したの」
「そうなんだ。じゃあ…俺、荷物置いてくるからまた後で。原田さんも」
「う、うん…」
名前を呼ばれまた胸が高鳴る。
桐島君が去った後、菜穂子が私の耳元で囁いた。
「なぁに?顔が赤いわよ」
「わ、私は別に…」
「初恋の人と再会…。燃えるわよねぇ」
「もうっ茶化さないでよね」
「だって分かりやすいんだもん」
ケラケラ笑う菜穂子を無視し、話を続けた。
「そんな事より、菜穂子の方こそどうなのよ?」
「え?」
「向こうで良い人見つけたの?」
「ふふ…まぁね、その話は後ほどたっぷりと」
「えぇ~」
「まあまあ、それよりもう時間だから下に降りよ」
「え?うんー」
何だか納得しなかったが待ち合わせ時刻の十七時が迫ってきてたので、
私達は一階に降り、待合室に向かった。