同窓会
菜穂子は走る足を止めた。
「菜穂子…?」
「美加を探して!」
「っ…何考えてんのよ!一人じゃ…」
「もう嫌なのよ…これ以上誰かが傷つくのは…」
菜穂子は悔しそうに唇を噛み締めていた。
「………分かった。でもその変わり…無理だと思ったら迷わず逃げて」
「…了解」
私は後ろめたさを感じたが、美加を探す事を第一に考えた。
階段を下り、小走りで部屋という部屋を探していく。
「美加っ!」
どこに居るの…?
菜穂子も気になって気持ちばかりが焦る。
「美加っっ!!」
「ー……き」
「っ…!」
微かだが、声が聞こえた。