同窓会
「原田さん」
桐島君は私に声を掛けてきた。
「っ…桐島君」
「何か―…思ったより少ない人数だね」
「うん、本当に―。皆遅れてるみたい」
「でも…本当懐かしいよ。皆変わってないし」
「うん…」
緊張して話が浮かばない。
「ねぇ、原田さんは…今付き合っている人とか居るの?」
「えっ?う…うんん!」
私はオーバーなリアクションを取った。
「そっか」
「き…桐島君は?」
「いや、俺も全然だよ。なかなか良い出会いが無くてね」
そう言って照れくさそうに笑った。
「じゃあ、お互いフリーか…」
桐島君の意味ありげな言い方に、私はまた胸がドキドキしてしまう。
「桐島くぅ~ん」
春菜が甘えた声で割り込んできた。
「二人で何話してたの?向こうで話そっ」
「いや、ちょっと…ね?原田さん」
そう言って私に微笑みかけた。
「う、うん」
春菜は桐島君の腕を引いて向こうのソファーに連れて行った。
私は胸がバクバクして顔が火照るのを感じていた。
「美咲ぃ」
「っ…菜穂子」
「飲もっ!」
酔いが回った菜穂子は私のグラスに飲み物を注いできた。
その時、チャイムが鳴った。