桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜
馬車の中に鏡がない分、似合ってるのか似合ってないのかいまいち想像がつかない。
「・・そうか?」
私は疑わしくもう一度音祢に視線を戻した。
「えぇ、本当にすごく似合ってる!!桜ちゃん、背高くて足長いからとても綺麗だわ」
私はそんな音祢の褒め言葉に目を見開かせると、顔の温度が急に上がり始めた。
「似合ってるのは分かったから。もう何も言うな、恥ずかしい///」
私は真っ赤になった顔を見られたくなくてそっぽを向くと、手のひらで音祢の言葉を制した。
「・・ふふっ、わかったわ。もう言わない」
そう言って褒めなくなったものの、私の様子がおかしいのか女の子らしくクスクス笑い続ける音祢。
でも、本当は褒めてくれた時、すごい恥ずかしかったが、胸の奥が今まで以上にあたたかくなって、悪い気分じゃなかった。
この気持ちは何なんだ?
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