桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜
「桜ちゃん!!神武忘れてるわよ!!」
そう馬車の中から聞こえる音祢の声で私は手ぶらだということに気づいた。
「ほら、神徒にとって神武は体の一部と同じなんだからね」
音祢は馬車から出て早々、そう私に注意し、神武を渡してくれた。
神徒にとって、この神武はかけがえのない物なんだな・・・
物に執着をしたことがないこんな私でも、いつかそういう日が来るのだろうか?
私は神武を見つめながらしみじみと思った。
「う〜ん、着いた着いたッ!!」
そんな声が隣から聞こえ、神武からそちらに目を向けると、ちょうど深影と狛が馬車から降りてきていた。
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