桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜



「えぇ、この方に"神武"を作ってくれませんか?」


藤姫様は飛びっきりの笑顔で十夜に頼む。





「神武とはなんだ?」


「神武っていうのは、私達神徒が使う聖石を加工した武器のことよ」


私は音祢に小声で尋ねると、音祢も私の声に合わせて小声で答えてくれた。





「えぇ〜〜でもまだ天井の修理終わってないですよ〜?」



それを聞いて、トンカチと釘を取り出して不平を漏らす十夜。



「それはもう後で構いません。先にそちらに専念してください」



「でも・・・」


「よいですね?」



藤姫様に反論を遮られ、何か言いたげな様子の十夜だったが、藤姫様の命令に逆らえないらしく小さく「は〜い」と答えた。



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