桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜



すると、急に彼は私から顔を反らすと、無愛想に手を差し出した。



「手、見せろ」




はぁ?



「なぜお前に手など見せないといけない?」



さっきのこともあって突き放すような言い方で尋ねてやった。




「ッ〜〜//つべこべ言わねぇで、さっさと見せやがれ!!」



彼はすごい形相で反らしてた顔を振り向かせると、無理やり私の怪我した方の手を取り、手のひらの生々しい傷痕を見た。



「なっ、何をする!?」



「うるせぇ、少し黙ってろ。」



冷たさを帯びた彼の声に思わず口を閉ざす私。



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