桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜
弐桜

黄泉の森【1】






チュンチュン・・・



小鳥のような鳴き声が私の耳に届き、自然と重たい瞼が上がる。





「・・・あぁ、」



そっか・・
昨日倒れてしまったんだな・・・



私は頭だけ動かし、辺りを見回した。



右も左もすだれで景色が遮断され、薬のような匂いが鼻につく。



どうやらここは医務室のようだ。



あの銀髪の男がここまで運んでくれたのだろうか?




・・・まさかな



私は体を起こしたが、その時頭に電流が走ったかのような痛みが襲い、頭を押さえた。





"桜・・・"



そういえば、あの女の声。



異世界に来る前も聞いたな。




一体あの声は誰なんだ?

それに"目醒めろ"って何を?




疑問が疑問を呼び、頭の中が謎だらけだ。



.
< 93 / 151 >

この作品をシェア

pagetop