それでも、すき。
Ⅶ■スキ、すき、スキ
スキ、すき、スキ。
言葉さえ、違っていたら。
想いさえ、異なっていたら。
あたしはこんなにも
傷つかずに済んだのだろうか。
そう、全てを
知ってしまわなければ。
あたしは、ずっと彼の『恋人』として
笑っていられたの?
きっと、それは違うよね。
最初から、あたしは
彼の瞳に映ってなかったんだもの。
なのに、何でなんだろう。
スキ、すき、スキ。
それでも、最後に残るのは
“すき”
それしか、ないなんて。