それでも、すき。


今でも
思い出すだけで胸が痛む。

残酷なまでに、鮮明に植え付けられた記憶。





「――ウザいんだよ。」


それはあたしが中学2年の頃だった。



「……え?」

昨日までは普通だったクラスメイトが、一変してあたしを睨みつけるようになった秋。

歪んでゆくココロが、生まれた瞬間。




「…なん、で?」

けれど当時のあたしには、目の前で起こる現実に頭がついていかず。

ただただ、呆然と教室を見渡し状況を理解しようとしてた。


…でも。




「……っきゃ…!」

ドン、と強く背中を押され、あたしは床に倒れ込んだ。

耳を過ぎるのは
クラスメイトの笑い声と、胸を貫くような暴言の数々。




「何で学校来たのー?」

「マジでウザいんだけど~。」

「目障りだから帰れば?」



そして
その中心に居たのは。




「柚果、悪いけど帰ってくれる?邪魔だから。」




…瞳ちゃん、だった。




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