マジ恋



だから、ちゃんと言おうって



言わなきゃって思うのに


どうしても声が出ない。


そんなあたしを見た栗城は


「泣きそうになることか?」


…―違う。


「そんなに言いたくないわけ?」



…―違うよ。


「はぁ…もういいよ…」



…―違うの!



「…違うの!」


「またそれで誤魔化すの?」



今まで、見たことない冷たい栗城の目。



急に怖くなった。



好きなのに。



こんなに好きなのに。



伝えることはどうしてこんなにも難しいのだろう?




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