マジ恋





大丈夫、大丈夫。




今なら忘れられる。




喧嘩したまま、だったし。



嫌いになったって。



愛想尽きたって。




言えばいいのよ、あたし。



次の日、あたしは栗城を屋上に呼び出していた。




「華…」




あなたの声。



久しぶりに聞いて、愛しいと思ってしまった。



でも、あたしは昨日
栗城への思いを捨てたの。



「栗城絢都さん…あなたに話があるの」





そう言って、振り替えると不機嫌に眉を曲げる栗城の姿。



「なんだよ?改まって」



そう言った栗城に、もうこれで終わりなんだ。




そう思うと、なかなか言葉が出ない。




苦しくて、苦しくて。




言葉が胸でつまる。




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