マジ恋
そして、哲さんを愛せないかもしれないことも。
「そうか……」
そう哲さんが言ったっきり、沈黙が続く。
あたしも無理に話そうとはしない。
しばらくして、哲さんが
「無理に愛さなくても、いいんだよ…と言いたいとこだけど、僕は君のこと好きみたいだ。愛せないと言われて少し苦しいよ」
そう言って悲しそうに笑った哲さんに、あたしも悲しくなった。
すると、哲さんは
「会って間もないのに、好きだなんて栗城くんに申し訳ないかもしれないね…でも、珍しく本気だから…華さんも俺のこと好きにさせてみせるから…」
月があたしたちを見守るように、窓から顔を出している。
「結婚してください」
明日、結婚式だというにも関わらず哲さんはプロポーズをする。
「ええ…よろしくお願いしますわ」
そうあたしが返事すると、哲さんは安心したように笑った。