マジ恋
「は〜な〜ちゃ〜ん」
屋上で吹く風は少し冷たくて、その風に乗って友梨ちゃんの声が耳に届く。
振り返るとニコニコ笑う友梨ちゃん
そして、その後ろからは美波の姿。
「華ちゃんは見張ってないとどっか行っちゃうからね〜」
黙って退学したあたしにまだ根を持ってるらしい友梨ちゃんはそう言いながら、隣に腰下ろす。
「でも、誰かさんには迎えに来てくれる王子さまがいらっしゃるから」
そう言った、美波がチラリと扉の方を見ると
「華!」
「噂をすればってやつですねっ」
そう、噂をすればってやつです。
栗城があたしの方に、走ってやってきた。
「やっと、見つけた…」