マジ恋


「…反省したんじゃなかったの?」

そう言って睨むと


「ん、反省しまくりっ♪」

と、なぜか、楽しそうな栗城。


「やっぱ、許さないもんっ」


そう言ってプイとしてみせる。


でも栗城は全く反省する気などなく、「桐島ちゃん可愛い〜」とまた、冷やかしてきて。


そんなあたしたちを見て、友梨ちゃんは、苦笑い。



そして、なぜか栗城絢都も加わってメイクを教えてもらうことになってしまった。


友梨ちゃんは、真面目に「まずは、髪だね!」って頭を抱え込む。


そして、問題の栗城絢都はというと「なんで、またいきなりメイクなんだよ〜」と怪しい目を向けてきたのだった。


だから、「知らないっ」って答えておいたが、言い訳にすらなってないよね…。

はい…。


嘘が下手なんです、実は。

というか、栗城絢都、明らかに邪魔してませんかー?

友梨ちゃんがセットしてくれた鏡は、ずらしてきて役に立ってないし。


文句ばっか言うし。


でも、友梨ちゃんは気にせず進める。


そして、30分後…



「可愛い〜」


「まぁ、まぁじゃね?」


「あたしじゃないみたい」


そう、あたしが覗く鏡には明らかにあたしじゃない誰かが映っていてビックリ!


髪はおろして、アイロンで巻いて、メガネは外した。

あとから、コンタクト買わなきゃ!


そして、友梨ちゃんメイクがうまい!!


目はパッチリだし、頬がほんのりピンクになっていて

大人っぽいメイクなのに、女の子って感じで


「感動だよ〜!!」


本当に誰?って感じ…


あたしは、先輩が喜んでくれる様子を想像しニマァと不気味に笑った。




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