マジ恋
皆、「「えぇー」」と文句を言い出したけど先輩が「練習、練習」と言うとみんなコートに散らばって行った。
先輩も「今日は見学ね」と笑顔でいうとコートに走っていった。
やっぱ、カッコいいなぁ…
なんて、ぼーっと考えていると
「なに、考えてんだよ?」
と不機嫌な栗城絢都があたしの横に座る。
そこは、あえて無視したが
「篠田先輩と居たくてバスケ部マネになったのかよ?」
と、ふいに栗城が言った言葉につい反応してしまった。
「ち、違うよ!!頼まれたの…先輩に、だから、断れなかっただけ」
なんで、栗城に言い訳しているのかなんてわかんないけど、あたしは思いっきり否定して首を振っていた。
栗城は、そんなあたしを見てプッと笑うと
「相変わらず変だな」
なんて、言ってコートに走っていった。
「変なのは、栗城だもん」
不機嫌だと思ったらいきなり、笑うしさ…
いつも、あたしの前に現れて恥ずかしいこともサラッと言っちゃうし…
それで、あたしをちゃかして楽しんでるし…
でも、さっきの栗城の笑顔にちょっとドキッとした。
カッコいいって思ってしまった…
「…栗城のバカ」
あんたといたら、なんか調子狂っちゃうよ…
あたしは、栗城の後ろ姿を見ながら1人ボソッと呟いた。