マジ恋


皆、「「えぇー」」と文句を言い出したけど先輩が「練習、練習」と言うとみんなコートに散らばって行った。


先輩も「今日は見学ね」と笑顔でいうとコートに走っていった。


やっぱ、カッコいいなぁ…

なんて、ぼーっと考えていると


「なに、考えてんだよ?」


と不機嫌な栗城絢都があたしの横に座る。


そこは、あえて無視したが

「篠田先輩と居たくてバスケ部マネになったのかよ?」


と、ふいに栗城が言った言葉につい反応してしまった。


「ち、違うよ!!頼まれたの…先輩に、だから、断れなかっただけ」


なんで、栗城に言い訳しているのかなんてわかんないけど、あたしは思いっきり否定して首を振っていた。

栗城は、そんなあたしを見てプッと笑うと



「相変わらず変だな」


なんて、言ってコートに走っていった。



「変なのは、栗城だもん」

不機嫌だと思ったらいきなり、笑うしさ…


いつも、あたしの前に現れて恥ずかしいこともサラッと言っちゃうし…


それで、あたしをちゃかして楽しんでるし…



でも、さっきの栗城の笑顔にちょっとドキッとした。


カッコいいって思ってしまった…



「…栗城のバカ」



あんたといたら、なんか調子狂っちゃうよ…


あたしは、栗城の後ろ姿を見ながら1人ボソッと呟いた。




< 27 / 164 >

この作品をシェア

pagetop