マジ恋
同じクラスがいい。


そう思っていた。


でも、漫画みたいな出会いをした俺達に奇跡は起きなかった。


俺は、1組。


彼女は、6組だった。


クラス表をみて、肩を下ろす。


そんなに遠い俺達は、全く関わりがなく。


たまに、友達と笑いながら廊下を歩く彼女を見つめることしか出来なかった。


「絢都ぉ?どこみてんの?」


周りにいる女の子たち。

みんな俺が好きらしい。

俺も女の子は大好きだ。

でも、


「うるせぇ」


彼女を見てるときだけは、邪魔されたくねぇーんだよ…


俺の冷たい言葉にビクッと肩を揺らした女の子に俺は、彼女が通りすぎたのを見計らって


「嘘っ♪なに、香奈ちゃん」


と笑って見せた。


そしたら、「あたしも名前でよんでー」と騒ぎ出した。


あーぁ、めんどい。


中学のときは、そんなこと思わなかった。


むしろ、嬉しいと思っていた。


でも、今はどんなに可愛い女の子に話しかけられても嬉しくない。



俺が話してぇーのは彼女…


桐島 華だけだから。


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