マジ恋
「っんな、落ち込むなし…まぢ、ムカつく!」
「え?」
「だから、その彼氏のこと大切に思ってんだなぁって…」
「え…?あ、うんっ」
篠田先輩のこと、大切に思ってるよ。
大切な人だよ。
「ありがとうね」
あたしは、お礼を言って自分の部屋へと向かう階段をかけのぼった。
「―…参ったなぁ、自分の姉貴にまぢになるなんて」
愛莉の後ろ姿を見つめ、しゃがみこむと力が抜けたように陽希は呟いたのだった。
その日の冬の夜風は、陽希にとってあまりにも冷たいものだった。