マジ恋
悪戦苦闘しているあたしのもとへやってきたのは呆れ気味の救世主、陽希だった。
「なに、やってんだよっ?」
って腕組みをしてドアに寄りかかっている陽希。
「えっと…」
あたしは、口ごもり。
陽希は、そんなあたしに一言。
「メイク?へったくそ!」
だってよ!
「ひどいっ」
そんなハッキリ言わなくても…
「んな顔しんなし、俺に任せて」
そういうと、メイク落としを手にし、メイクを丁寧におとしてゆく。
くまみたいになっていたアイラインもキレイに落ちた。
次に、下地を塗ると薄めにファンデを塗る。
アイラインも軽く引き、アイシャドーは大人っぽくブラウンを目の際にのせた。
眉は簡単にアイブローして、チークはほんのり最後にたっぷりグロスを口にのせて出来上がり。
陽希は髪まで巻いてくれた。
しかも、超きれい!
「なんでっ?なんでこんなこと出来るの?」
あたしなんて、全然なのに…
女のあたしに出来ないのに男の陽希に出来るっていうのはどういうこと?
軽くショックを受けながらあたしは、鏡を見た。
「うわっ…」
プロ並み…
「あたしじゃないみたい」