マジ恋
一人で歩く暗い夜道は、やっぱり不気味で
あたしは、足を早めた。
すると、後ろで足音が…
しかも、速く歩けば歩くほどその足音も速くなる。
もしかして…
通り魔?なんて、よくない想像までもが膨らむ。
怖くて、怖くて…
走り出そうとしたとき…
「よう」
「キャッ!!」
話しかけてきたのは、大っキライな栗城絢都だった。
「なに、ビビってんだよ?桐島ちゃん?」
いつの間にか、あたしは地べたに座り込み震えていた。
怖くて、怖くて…
その緊張が解けた瞬間、身体の力が抜けたんだ。
「だぃ、じょうぶ…」
そう、自分の気持ちを落ち着かせるように言った。
「おい、大丈夫なわけねぇだろ?どうしたんだよ?」
栗城絢都は、あたしと視線を合わすようにしゃがみこむとそう言って心配するように顔を覗き込んできた。