マジ恋

そう考えていると、陽希は冷めたように


「いい加減、下りろよ?」

って…


あたし、陽希の上に乗ったままだった。


「あっ、ごめんっ…」


そう言って、慌てて下りようとすると


ギュッ…


「ん?陽希…?」


あ、あたし抱きしめられてませんか?


「ちょっ、ちょっとどうしたの?」


「…ん」


「えっ?なに?」


「寒い…」


え?寒い?


「だ、大丈夫?」


陽希の嘘だとも気づかず心配するあたし。


陽希は、離れようとしない。


「ちょっと…暖房リビング入ってるから下行こっ?学校遅刻しちゃうし」


いつもより早起きだけど、もう7時すぎだし。


そろそろ下に行こうと促すあたしに陽希は、ただを捏ねるように


「もうちょい…」


という。


そんな陽希が可愛く思えてしばらくそのままでいた。


でも、兄弟で抱き合うなんて不思議だよね?


あたしも、今すごく不思議な気分。


< 51 / 164 >

この作品をシェア

pagetop