未定

《今あなたの作った野菜が久しぶりに食べたいと思っていたとこなの。今でもあの味が忘れられません。それとだいたい準備が整いかけているけれど、サランラップとかの他に何か必要な物はありますか?着替えなんかは何日分くらい必要かな?あの場所に・・・早く行きたいな。》

“野菜”のことと“あの場所”について書いて覚えてるということをアピールした。そして、一刻も早く葉書を出したい私は急いで近所のポストへと足を運んだ。

家から五十メートルほど離れた自動販売機の横にそのポストは存在した。どことなく家のポストと同じ雰囲気を感じる。宛先も書かずにポストの口に葉書を入れるも、今までの珍事から「届かないんじゃないか」という不安な気持ちはもうなかった。「なにかしら届くんだ」とどこからか自信が湧いてくる。帰り際、私は隣の自動販売機でコーラを一本買って帰ることにした。

チャリン

ピッ

ドサドサドサッ

「!?」

ここはガコンとか聞こえてくるのが普通なはずだが、聞こえてきたのは缶にしてはあまりに鈍過ぎる音。思わずしゃがんで取り出し口を見てみると、そこにはズッキーニの山が存在した。

わけがわからないまま、とりあえずズッキーニを取り出す。六本も入っていたそのズッキーニの山の底に、鍵が一つ落ちていた。

どこかで見たこと、、ある?
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