リベリティーファミリー
もめる長男と次男をみて、冷静な三男はようやく口を開きました。
「二人とも時計を見てください」
弟に言われて時計を見ると、家を出なくてはいけない時間をとっくに過ぎていました。
「ヤバイ!アニキどうするんだよ」
夏昼が二人を指差しました。この家に来たばかりの、しかも三才の二人をこの家に置いていけるわけがありません。
「ナツ!お前はもう行け。練習試合なんだろ」
「でも!」
「良いから行け。あとは兄ちゃん任せとけ」
そう言って夜昂は、夏昼の背中を押して出発を促しました。夏昼は後ろ髪を惹かれる思いで、家を出て行きました。
「兄さん、透はオレが児童館の方へ送っていきます」
「あぁ。頼んだぞ。二人はオレと一緒に行こうな」
兄の決断に弟は目を開きました。朝想は、てっきり二人を近所に預けるものだと想っていたからです。
「そんな、兄さんも部活に行くんでしょう!どこに二人を置いておくんですか?」
「ベンチに座らせておくよ。マネージャーもいるし大丈夫だ」
「大丈夫って、他の人たちに迷惑がかかるんじゃ」
「オレは副部長だぞ。オレに文句を言える奴はうちの部にはいないんだよ。っていうか言わせねぇよ」
そう言い切ると、二階に上がり、育児用のバックを持って下りてきました。バックの中にはタオルが数枚と二人が退屈しないようなおもちゃも入っています。そして、冷蔵庫から100%ジュースのペットボトルを取ると中に放り込みました。本気で二人を連れて部活に行く気のようです。
「本気なんですね」
夜昂の決定の真意を知ると朝想は支度を手伝い始めました。
「よしっ!出陣」
育児バックとテニスバックを両手に持ち、夜昂は玄関を開けました。
「おー」
弟たちも声を揃えて返事をすると兄に続いて外に出ました。
「二人とも時計を見てください」
弟に言われて時計を見ると、家を出なくてはいけない時間をとっくに過ぎていました。
「ヤバイ!アニキどうするんだよ」
夏昼が二人を指差しました。この家に来たばかりの、しかも三才の二人をこの家に置いていけるわけがありません。
「ナツ!お前はもう行け。練習試合なんだろ」
「でも!」
「良いから行け。あとは兄ちゃん任せとけ」
そう言って夜昂は、夏昼の背中を押して出発を促しました。夏昼は後ろ髪を惹かれる思いで、家を出て行きました。
「兄さん、透はオレが児童館の方へ送っていきます」
「あぁ。頼んだぞ。二人はオレと一緒に行こうな」
兄の決断に弟は目を開きました。朝想は、てっきり二人を近所に預けるものだと想っていたからです。
「そんな、兄さんも部活に行くんでしょう!どこに二人を置いておくんですか?」
「ベンチに座らせておくよ。マネージャーもいるし大丈夫だ」
「大丈夫って、他の人たちに迷惑がかかるんじゃ」
「オレは副部長だぞ。オレに文句を言える奴はうちの部にはいないんだよ。っていうか言わせねぇよ」
そう言い切ると、二階に上がり、育児用のバックを持って下りてきました。バックの中にはタオルが数枚と二人が退屈しないようなおもちゃも入っています。そして、冷蔵庫から100%ジュースのペットボトルを取ると中に放り込みました。本気で二人を連れて部活に行く気のようです。
「本気なんですね」
夜昂の決定の真意を知ると朝想は支度を手伝い始めました。
「よしっ!出陣」
育児バックとテニスバックを両手に持ち、夜昂は玄関を開けました。
「おー」
弟たちも声を揃えて返事をすると兄に続いて外に出ました。