リベリティーファミリー
「じゃあ、オレ達はこれで帰るからあとはごゆっくり」

 夏昼はネクタイを緩めながら席から離れると、向かいの席に座っている利要を椅子から下ろしてあげました。夜昂は勇姿の手を引いて六人は出口に向かいます。

「どうしたの?私、何か気に触ること言ったかしら?」

 美園が慌てて六人を追います。

「いえ、大丈夫ですよ。ただ、オレらには関係ない感じなので帰るんです。チビたちもいますしね」

 夜昂はそう言って頭を下げました。

「関係ないとはどういうことだ?」

 父が夜昂を捕まえようとしましたが、その間に夏昼が入って、それを阻止しました。

「分かってねぇな。オレらにとって重要なのは、兄貴の負担を減らすことなんだよ。家庭に入る気がないなら、兄貴は現状通り、それならオレらには関係ねぇってこと。あとは、お二人で決めてよ。じゃあな」

 夏昼に返す言葉をなくした父と美園を置いて六人は店を出て歩き出しました。
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