リベリティーファミリー
夏昼と朝想は笑い合い、先を行く夜昂の元に駆け寄りました。

「お前ら、腹が減らないか?」

夜昂が全員に尋ねました。

「減った~」

全員が手を上げました。育ち盛りにフレンチは物足りないものです。

「こっから走って、一番最後に着いたやつが、全員分のお茶漬けの準備な」

よーいどんと夜昂が理生をおぶったまま走り出しました。

「あっ、コウ兄ちゃんずりぃ」

弟たちは慌てて夜昂を追いかけて走り出しました。夏昼は勇獅、朝想は透の手を引いて走りました。



「ボクたちが一番です」

最初に家の前に着いたのは朝想と透でした。相手は弟二人を背負った兄二人です。妥当の順位と言えるでしょ。

「透、以外と足早いね」

「うん。オレ、クラスで4番目だから」

ちょっと微妙な順位ですが、朝想は透の頭を撫でてやりました。

「やったね。あっ、コウ兄ちゃんが二位だ」

二着は夜昂と理生でした。夏昼は、途中で勇獅が振り下ろされまいと、首にしがみ付きました。以外と三歳児の力とは侮れないもので、襟を強くつかまれ呼吸が上手く出来なくなった夏昼は遅れてしまいました。


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