リベリティーファミリー
「このやろう。思いっきり、絞めやがって」

夏昼は勇獅を下ろすとネクタイを緩めて、ボタンを外しました。

「じゃ、夏昼兄さん、お茶漬けよろしく」

息を整えながら、門を開けて中に入ると朝想の足が止まりました。

「どうしたの?ソウ兄ちゃん」

朝想の後の透が、少し身体をずらして前を見ました。

「誰だ~?」

 透の声に年長の二人は嫌な予感がしました。透の前に立つと、玄関前の階段のところに男の子と女の子が座っています。六人に気付いた女の子が立ち上がり、駆け下りてきました。

そして可愛らしい満面の笑みで

「おかえりなさい。お兄ちゃん」

その瞬間、夜昂の手から鍵が落ちてしまいました。金属音が夜の住宅街に響き渡りました。

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