リベリティーファミリー
透が目を覚ましたのは自分の寝ている枕元でバタバタする足音が気になったからでした。

「理生ちゃん、勇ちゃんお着替えだって」

見知らぬ女の子が小さい男の子に構っているのが見えました。

誰だっけと寝ぼけた頭で探っているうちにまた眠くなってしまいました。

「透。起きて、朝だよ。いつまでも寝てると夏昼兄さんみたいになっちゃうよ」

「そう兄ちゃんおはよう・・・」

直ぐ上の兄、朝想に起されて透はゆっくりと身体を布団から出すと、目の前にこんもりと積み上げられた布団が見えました。

その下に夏昼が苦しげに眉を寄せながらも眠っていました。

「透お兄ちゃん、おはよう」

女の子が可愛らしい笑顔で挨拶してきました。

「おあよう」

そこでようやく透は女の子が昨日来たばかりの妹だということを思い出しました。

「あー、オレお兄ちゃんになったんだ」

透は起き出して朝想にならって布団をたたみ、積み上げられた布団の上に乗せました。

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