リベリティーファミリー
学費や生活費にお金がかかるため、極力外食を控えていた遠坂家でしたが、父の言葉に活気付きました。

「うわ〜!外でご飯だー」
透は大きく手を広げて喜びを表現します。

「半年ぶりじゃね?外飯って」

「そうですね。久しぶりなのは確かです」

「今日はメシ炊きから解放だー」

1番嬉しそうなのは、家事から一時とは言え解放される夜昂のようです。

「お前たちに会ってもらいたい人がいるんだ」

父の言葉で透以外の笑みが消えました。

「こんなことだろうとおもってましたよ」

「ついに大台にのるんじゃね?」

13年前に妻を無くしてから父は何度か新たな恋人を作ろうとしていました。結婚までたどり着いたこともありましたが、ことごとく問題が発生し別れて来ました。

息子たちは、結婚が決まるまで会わなくて良いと思っているのですが、父の持論は自分の恋人のことを理解してほしいがためこどもたちと会わせるのでした。
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