リベリティーファミリー
「みんなに話がある」

広秋が全員を呼びました。

陽花利と月乃花の幼稚園入園。

勇詩と理生の保育園入園。

それぞれが決まり、兄弟たちは新学期の準備で大忙しでした。

「にしてもよく、４人の行き場が見つかったよな」

父を無視して夏昼が兄に尋ねました。

幼稚園は上の四人が通っている学園の幼等部。保育園は幼等部の迎えにある保育園です。

「あぁ。コネがあってな」

「高校生でコネがあるのもいかがなもんか」

「ないよりは良いだろ」

「どんなコネだよ」

「秘密」

「ねぇ、ヒカちゃん。コネってなぁに」

「あぁ？お前それも知らないのかよ。誰か偉い人の弱点をコウ兄さんは知ってんだよ。それをばらされたくなかったら言うことを聞けっていうことだ。」

「そうなんだぁ。すごいね、コウ兄ちゃん」

「ヒカ、ユノ、それはコネじゃなくて、脅しだ」

上の二人の会話を聞いた上の三人は乾いた笑いを漏らしました。

「脅しぃ？」

「そうだ。コネっていうのはな・・・」

「下らないことを教えないで下さい、夏昼兄さん」

物覚えが良いこの時期に余計なことを教えたら大変なことは透で身に沁み込んでいる三男でした。


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