リベリティーファミリー
「まぁまぁ、何度目の正直っていうじゃねぇか…なぁ?」

流石の長男でもフォローしきれないとこがあります。
「オレは会っても良いよ」
「では、みんな帰ってきたらフォーマル着で待っていなさい」

「フォーマルかよ。焼肉屋じゃないんだ」

夏昼はあからさまにがっかりの表情を出しました。

「女性を誘うのに、焼肉屋はないでしょ」

「みんな、ワイシャツ出して行けよ。アイロンかけるから」

食事を終えた子達から席を立ち片付けをしていきます。

「それと、うちの事情を相手には話してるんだろうな。この間、みたいなのはごめんだからな」

夜昂の言葉に父の箸が止まりました。

「勿論だ」

「父さんの勿論は信用できないんですよね」

少々複雑な事情を抱えているこの家ののことを前回のときは、父親本人が説明せずに、夜昂がして揉めたことがありました。

それ以来、遠坂家の信頼のバロメータは父から兄へと傾いているのです。
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