百花繚乱。
一花『純麗』
綺麗な子だ、人形みたい
だ、そうやって騒がれる
事にも慣れてきた。最近
になって。


誉めてくれるのは、みん
な年上のおじさんばかり
で、同じ年代の男は今時
の派手な女にしか目が行
かない。


水商売を始めて二年。


客数が増えて、指名も売
り上げ競争もない平和な
スナックで、あたしはダ
ントツの一番人気を誇っ
てる。


決して今風の顔じゃない
のは一番自分がわかって
る。


面長で、切れ長目元、唇
は厚めで綺麗とか可愛い
よりも『艶やか』路線。


それを理解してくれるの
は、お店のお客さんだけ
だ。


増してそれにバツイチで
娘が一人います、なんて
暴露した日には娘をダシ
に口説きにくるから、あ
たしはたまったもんじゃ
ない。
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