地図にもない場所へ
「ただいぁ…」
と、返事なんて帰ってくるはずのない暗い家にそっと呟いた
俺の親は有名な医者で、仕事が忙しくほとんど家にはいない
しまいには俺を跡継ぎにしようとまで考えてる
まあ将来なにもなかったら継ぐつもりだけどな
母親は…俺が小さい時に死んだ
だけど寂しくなんてない
もう記憶にも残ってないしな
俺はベッドに飛び込んでバイト…するか考えた
実際金には困らない
銀行の俺の通帳に一生遊んで暮らしても余るくらいの金が入ってる
でも俺はみんなと普通に生きたくて
自由に生きたくて
ごく普通の高校に入った
親の反対を押し切って
比べられるのが
昔から凄く嫌だったからな