恋愛ゲーム
何も言わず、ふるふると首を横に振るあたしを見て、先輩はさらに眉を寄せて小さく息を吐いた。
「…知らねえのか。まあ、話聞かれちゃったんなら良いや、教えてやるよ。
俺、女から金もらって、その分“仕事”してるんだよね。
アンタも他のヤツらみたいに、それ頼みに来たのかと思った」
なに、それ?
全然、意味分かんないよ…
あたしは何も言えず、ただ黙って下を向いていた。
その時、下を向いていたあたしの視界に先輩の足が入り込む。
「知らなかったんなら、別に良いけど。
…どうする?
アンタ結構可愛いし、この際――キスくらい、してやっても良いけど?」
クスクスと笑い、そう言った先輩はあたしの顎をグッと掴んで上を向かせた。
半ば無理矢理上を向かされて、あたしと先輩の視線が絡む。
…最低。――最低。
先輩が、こんな人だったなんて…!