恋愛ゲーム
本当の気持ち ―慎吾side―
***
「…ごめんな」
保健室のベッドですやすやと眠ってしまった明菜の顔を見ながら、
そっと頭を撫でた。
俺のせいで、いっぱい泣かせちゃったな…
眠っている明菜の頬には、涙の後が残っている。
俺は、明菜の頬に残った涙の後を指で軽くこすった。
「…ごめんな、明菜」
俺が弱いせいで…
明菜を傷付けて、…ごめんな。
静かに眠る明菜の顔を見ながらベッドから身体を起こすと、ポケットから携帯を取り出した。
…ちゃんと、言わなきゃな。
樹里にも、――明菜にも。
「――…あ、樹里?
ちょっと、話したいことあんだけど…」
電話で時間と場所の約束をした後。
電話を切って、俺はもう一度明菜の頬に触れた。
俺、ちゃんと明菜に気持ち伝えるから。
だからそれまで――…
待ってて欲しいんだ。
受け止めてもらえるかは、分からないけれど。
上手く伝えられるかは、分からないけれど。