恋愛ゲーム
「――…泣くなって。
お前、泣いたらブサイクになるから」
『…はあ!?
普通泣いてる女の子に対して言うセリフがそれ!?
慎吾って、ほんっと昔から女の子のことなんて全くわかってないんだから!』
ブサイク、の4文字に恐ろしい程の反応を示した樹里が、すごい勢いで顔を上げて俺をキッと冷たい目で睨みつけた。
その態度の変化に、俺は思わず笑ってしまった。
「…うん。
樹里はやっぱり、泣いてない方がいい」
『え?』
「樹里は絶対、笑った方が可愛いよ」
その瞬間、樹里の動きがピタリと止まった。
と同時に、だんだんと頬が赤く染まっていく。
あ、あれ…?
もしかして、樹里…
「…なに照れてんの?今さら」
『え、て…っ照れてなんかない!』
「照れてんじゃん」
『…照れてないしっ』
そんな強気なことを言いながらもさっきより赤くなっていく樹里の顔は、本当に可愛くて。
俺はまた、そんな樹里を見て小さく笑った。