恋愛ゲーム
「…好きになって、いい、のかな…」
『え?』
「もう一回…
俺は人を、好きになっていいのかな…?」
ふんわりと、優しく。
大きな手が、俺の頭を撫でた。
視線だけを上に向けると、恭は相変わらずの笑顔で俺の頭を撫でていて。
『バーカ』
「なっ…」
『バカだな、ほんと』
クスクスと小さな笑みを浮かべながら、その手はそのまま俺の頭を撫で続けている。
その動きがだんだん激しくなり、明らかにぐしゃぐしゃとなっていく髪の影が床に映って。
「ちょ、おいっ!」
『いい子ですねー、慎吾くんは』
「おい、バカにしてんのかお前っ」
『バカはどっちだよ。
バカ、アホ、不器用、鈍感』
…コイツ、ついに俺のこと苛め始めたのか?
ぐすん、と涙を拭うふりをすると。
『…でも、大丈夫だよ。
慎吾は、誰よりも人を想う気持ちを持ってるから』
「は…?」
なに、いきなり。
意味分かんねえ…