恋愛ゲーム
Second game
接近 ―明菜side―
「ふあ…眠っ…」
次の日。
あたしは校門の前で、手で口を隠すこともなく大きなあくびを一つした。
…眠い。
なんか昨日1日だけで、いろんなことがありすぎて…実際、あまり眠れなかった。
しかも。
“キスくらい、してやっても良いけど?”
ずっと大好きだった、
ずっとずっと憧れてた、
あんなに優しくて、あんなに無邪気な笑顔を見せてくれた。
そんな松下先輩が、あんな人だったなんて…
「はあ…」
今度は一つ、大きなため息が漏れる。
昨日のことを思い出してしまって、涙まで出そうになってしまった。
『ちょっと!明菜っ』
「ん?あ、歩じゃん。おはよー」
ちょうど歩き出して校門を通り過ぎたところで、同じクラスの歩[アユム]に声をかけられた。
歩は何やら急いでいる様子で、あたしの方に向かって走って来る。
そのまま、グイッと強く腕を掴まれた。